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2015年度を迎えるにあたって

2015.4.01

2015年4月1日

公益財団法人 横浜勤労者福祉協会 理事長 窪倉 孝道

横浜勤労者福祉協会で働く皆さん、日頃の法人活動への協力・まい進に敬意を表します。今日から数多くの新入職員を迎え、2015年の新年度がスタートします。皆さんの奮闘の成果によって、昨年までの医療福祉介護にわたる法人の総合的活動は着実に前進し、経営面での成果もおおむね順調に推移しています。

その中でも、2010年代の法人の行動指針となる第5次長期計画を、法人の将来を担う若手職員を交えて構想し、決定することができたことは大きな成果です。この長期計画の柱は、「少子高齢化が急速に進む将来を念頭に、地域に深く根を張った親切で良い医療・良い介護活動を進め、内外事業所とのネットワークの構築をこれまで以上に多彩にし、強めながら、誰もが安心して利用できる地域包括ケアの実現に関わってゆこう」というものです。2015年度の法人・各事業所の活動方針もその柱に沿って形つくられています。改めて法人グループビジョンを思い出し、患者・利用者に対する私たちのサービスの源泉として共有してゆきましょう。

横福協グル-プビジョン

無料低額診療事業所として、医療福祉介護にわたる総合サ-ビスを提供し、共同組織とともに地域の患者・利用者の生活を支える

しかしながら、格差や貧困が進行する現在の社会経済状況を考えると、今年度も私たちの活動は行く先々で政治の矛盾、時代の困難に苦しむ患者・利用者とのかかわりを生むことになるでしょう。私たちは、これまでの民医連医療の実践で、親切で良い医療・良い介護の実現は、社会や政治のあり様と密接不可分であることを知っています。そして、国の平和原則や基本的人権を大切にする憲法の精神が私たちの暮らしに生かされてこそ、はじめて医療と介護が生きることも知っています。

今年は戦後70周年に当たります。大きな戦争の犠牲の上に作り上げられた現行憲法とその下で発展してきた医療・福祉・介護の制度を守り、よりよく発展させることが必要と思います。この4月には一斉地方選挙も行われます。その結果が、地域の医療・福祉・介護サービスのあり様に直結する重要な場面でもあります。専門職の立場から、それらの改善につながる選択肢は何かを真剣に考え、積極的に参加してゆきましょう。

私たち横福グループのビジョンは、これから予想される一層困難な時代状況の中で、「あるべき地域包括ケア」を実現するのに正にぴったりのビジョンです。このことを改めて皆さんで確認し、2015年度の活動を開始したいと思います。

共にがんばりましょう。