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2025年4月 理事長挨拶

2025.4.01

先週末の4月19日、核戦争防止神奈川県医師の会、神奈川県保険医協会の共催で開かれた平和講演会「被爆者と医師が語る、核の実相」を聴講しました。神奈川県原爆被爆者の会の会長である丸山進様、そして神奈川北央医療生協理事長の牛山元美医師が講師を務められました。 

丸山さんはご自身やご家族の広島での被爆体験と、その後に続く被爆者の苦難の歴史を振り返り、そして被団協結成以後現在まで続く、国内はもちろん世界に向けて核兵器廃絶の重要性を訴え続けてきた取り組みについて熱く語られました。 

牛山先生からは、東日本大震災、福島第一原発事故のさい、国家による放射能飛散情報の隠ぺいに気づかれたことを契機に、福島や関東の子どもたちに発生する甲状腺がんの健診に携わってきたこと等を、豊富な資料とともに講義されました。その中で、①原爆を作る力(プルトニウム)を維持したいがために②権力は国民に、放射能の被害はたいしたことはないと噓をつく、③その結果福島での甲状腺がん多発は今後も続いてゆく、との悪循環について触れられました。原爆だけでなく原発(再稼働、新設)にも反対してゆこう、投票行動などで行政に働きかけてゆこう、そして「次の世代が安全に暮らせる世界を、わたし達は残してゆこう」とのメッセージが印象的でした。 

今回は他団体主催の会合でしたが、当法人グループでも多彩な平和・社会保障に関する活動を行っています。核兵器廃絶に向けた取り組みに限っても、3月のビキニデー集会、5月の平和行進、鶴見平和フェスティバル、7月の神奈川民医連ピースフェスティバル、そして8月の原水爆禁止世界大会…と、各種行事が予定されています。これまで職員・共同組織の皆さんは当然のようにこれら諸行事に参加していましたが、今後は新たな世代への継承という課題が生まれています。危機的な医療機関の経営状況の下で新入職員に寄り添いつつ、民医連の魂とも呼ばれる「平和・社保活動」にこれからも職員を送り出してゆけるように、わたし達も不断の努力を続けてゆく必要があると感じています。