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2025年3月 理事長挨拶

2025.3.01

日本維新の会が、2025年度の予算案への賛成を前提に、自民党・公明党の党首と交わした合意文書には「4兆円の医療費削減」が盛り込まれています。このことに対して国民各層、日本医師会を含む医療系団体から強い反対の声が上がっています。

維新の会の主張は医療・介護分野に新自由主義を持ち込もうとする点が特徴的であり、またそのアイデアの出所が経団連などの要求と近似したものであることも明らかとなっています。

同党の政調会長は医療・介護業界を自動車産業になぞらえて「市場原理の中でコスト削減しながらサービスを向上させた企業が生き残り。そうでない企業は淘汰されていく」「厳しい環境にあってこそ、より良いサービスを安い値段で実現できる」と述べたとされています。こうした、むき出しの新自由主義政策のもとで訪問介護の報酬単価が引き下げられた結果、全国で訪問介護事業所が一つもない自治体が2024年末時点で107町村にのぼり、事業所が残り1の自治体は272市町村になっています。サービス向上どころか、介護破壊とも呼べる状況になっていることが明らかで、維新の会の「改革案」は完全に破綻しています。

維新の会のアイデアの源流は、かねてより財界が政府に要望してきたものを下書きにしているようです。財務省の財政制度等審議会(会長は経団連会長)が2024年11月に発表した予算編成等に関する建議では「セルフケア・セルフメディケーションの推進(自助の観点)」「医薬品のスイッチOTC化を進め、薬局で自ら購入できる医薬品の選択肢を増やしていく」「高額療養費制度については、物価・賃金の上昇など経済環境の変化も踏まえ、必要な見直しを検討すべきである」等の文言が並びます。財界要求そっくりの政策を掲げて、自公政権にその実行を迫ることが、維新の会の役割であることがはっきりしてきたと思います。働き盛り世代もやがては高齢世代になってゆきます。世代間の対立をあおって国民医療・介護を、さらに貧しくしようとする勢力には、7月の参議院選挙などで国民が良識ある判断を示す必要があるでしょう。