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4月理事会 理事長あいさつ

2017.4.26

お蔭さまで39名の新入職員を無事に迎え入れて、新年度が始まりました。
今年度は、法人レベルでは新梶山診療所着工や病院での済生会横浜市東部病院との新しい次元での連携強化の動きが始まります。神奈川/横浜のレベルでは地域医療構想の実践や保健医療計画つくりが始まること、国レベルでは来年の診療報酬改定に向けた動きが具体化すること等、今年も大きな動きが続きますので、法人理事会・その下での執行部の舵取りが大変重要になってきています。
さて、世の中を見渡してみますと実にいろいろなことが起こっていますが、今日は組織の舵取りというものに引き付けて、東芝問題と、栃木県で起こった高校生の山岳登山における遭難事故について取り上げてみたいと思います。
東芝問題は米原発子会社が経営破たんして、その損失を被って2016年度決算が製造業として過去最悪の1兆円を超える最終赤字に転落し、その決算さえも監査法人の適正意見が得られない信頼性を欠くものになりました。この東芝迷走の背景を3つの呪縛と分析した報道がありました。1つは過去の成功体験にこだわって市場の変化を見過ごしたこと。二つ目は組織の縦割りが事業の聖域化を生んだこと。3つ目は資源の選択と集中に失敗した事。つまり企業は常に刷新が必要なところ、それができなかったと総括しています。企業は人の営みの集まりで、生き物のようなもので、変化を拒めば組織も守れず、新しい雇用も生み出せない、東芝の教訓はそう教えてくれているように思いました。
いま一つは、痛ましい栃木県のスキー場付近で登山講習会に参加していた高校生ら8人が雪崩事故で無くなった事件についてです。前途有望な高校生がなくなった背景は調査中ではありますが、問われるのは主催した県高体連の登山専門部の責任者たちの安全判断ではなかったかと思います。名門企業の東芝が経営で迷走した事件と大きくかけ離れた事案にも思われるかもしれませんが、どちらの事件も本質は経営や組織、集団の舵取りをあずかる者の判断の大切さ、責任の重大さではないかと思います。
翻って、国政の舵取りをあずかる国会では、政権与党がモラルを失ってたくさんの重大問題には蓋をして、介護保険法案を強行採決し、共謀罪法案を通過させようなどと歯止めなく暴走して国民生活を危険に陥れようとしています。わが法人理事会はこうした事例を教訓や反面教師として、今年度もしっかりと組織の舵取りをしてゆきたいと思いますので、よろしくご協力をお願いいたします。